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きっと、この人達は聞かないんだろうな

「じゃあ、お願いしてもいい・・・?」

「おうよ」

「じゃあ、丸井。また明日。乃愛もね」

「うん」

精市君は先に帰って行ってしまったけど

「この近くにスーパーあるんだぜぃ」

「え?そうなの?」

「お前、どこまで買い物に行く気だったんだよぃ」

「近くに合宿所があるからそこから拝借するつもりだったんだけど」

スーパーがあるなら、そこの方がいいか

ブンちゃんと歩いて行くこと数分

「ここだぜぃ」

本当にあったんだ

「お、ブン太に乃愛じゃねぇか」

「ジャッカル!」
「ジャッカル君?」

「何だよ。2人で珍しいじゃねぇか」

「仁王の所に何もねぇって言うから
付き添いで乃愛が買い出し」

「なるほどな」

そんな会話をしているけど
籠を持ってくれているブンちゃん。

「大丈夫?」

「平気だって」

まぁパワーアングルつけてるくらいだし
平気なんだろうけど、それでも量が入れば重たくなってしまう

必要なものをかごに入れて
飲み物を1本多めに入れてから会計を済ませると

「流石に、この時間になってくると冷えてくんな」

「そうだね」

寒さが身に染みてくるこの季節は
1人だと、とても寂しくて

「そういや、9日、部活休むんだろぃ?
まさか、氷帝に」

「行かないよ。両親が帰ってくるの。
だからお兄ちゃんと一緒に実家に帰ってくる」

「何だ」

「でも、立海には寄らないよ?合宿所に用があるからそのまま合宿所に行くの」

「マジ・・・?」

「うん。赤也君の練習も見て来れるしね」

「そうだったな」

まーくんの家の前に着くと

「ブンちゃん」

「なんだよ?」

「まだ、これは内緒にしておいて」

「これ?内緒?」

「10月にもしかしたら正式に招集掛かるかもしれないから」

「は?」

「U-17の」

「まじかよぃ・・・」

「多分ね。でもお兄ちゃんに聞いてるから
確実だと思うけど・・・でも
変更になる可能性も大いにあるから
まだ何とも。だから、内緒にしておいて」

「分かった」

「ありがとう」

「いいぜぃ。じゃあな」

そう言って帰って行ってしまったブンちゃん
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