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「お前たちのサボリ癖は一体いつになったら直すつもりだ」


「仁王だってサボってるじゃ」

「残念だな。乃愛が来てから
アイツは部活をサボっていない。
今日、いないというのはサボリではないからな」

「何?」

「さて、そろそろ限界か?」

「どういう・・・」

真っ黒い笑顔でこっちに来ている精市君

「ゆ、幸村・・・!」

「へぇ。部活をしないでここでサボっている自覚は少なからずあったんだ?」

「な!?」

あたしの持っているクーラーボックスを見て

「乃愛はちゃんとマネ業務を熟していると言うのにね」

「・・・!」

「放課後の練習は倍のメニューをこなしてもらおうか」

「マジ・・・?」

「あぁ」

「精市がやると言ったらやる男なのは知っているだろう」

「まぁ・・・」

放課後が楽しみだ。そう言って来た蓮二君の言葉に青ざめて行く人たち

「乃愛、朝練終わったよ?」

「うそっ」

「ふふ。嘘なんか言うわけないじゃないか」

ドリンク、間に合わなかった・・・

「俺達は気にしていないよ。
悪いのはあいつ等で、乃愛ではない」

「でも・・・」

「それでも、気にするなら」
「仁王の様子を見に行ってやってくれないか」

まーくんの・・・?

「下の兄妹。というのは建前で
仁王が風邪をひいている可能性もあるからね」

「!?」

「ただし、部活が終わってからだよ」

やっぱりね

「分かった」

「じゃあ教室に戻ろうか」

クーラーボックスを持ち上げて
部室に置くと、すでに着替え終わっていた
ブンちゃんたちの姿

「いくら、動いた後とはいえ、寒いだろぃ」

「確かに」

「着替えてきちゃうね」

「おう」

あたしの着替えはもう1つの部室にある。
まぁ、これだけ大勢の部員がいるからいくつかあるんだけど

制服に着替えると、すぐに皆の所に戻って行く

「じゃあ、行こうか」

「うん」

教室に入るといつにもまして静かな教室

「??」

「いつもより静かじゃないか」

「確かに」
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