39


「それはまた」

「珍しいではないか」

少しのラリーをして戻って来たブンちゃんとジャッカル君

「まぁ、兄妹の面倒だから仕方ねぇだろぃ」

「なるほど」

「毛利先輩もいないな」

あぁ

「サブちゃんは、今日は来ないよ?
修ちゃんと一緒に遠征」

「は?」
「マジ?」

「うん。で、赤也君は、合宿所を拠点に活動をすることになるよ」

「何で、赤也なんだ」

「赤也はな、夏休みの間に乃愛と合宿所で一緒だった時にもめてよ。そん時に話してくれたんだよぃ」

「何を」

「あくと君と育人先輩がね。赤也君の両親に交渉してくれてるの。
で、今お父さんの所に行けば、立海も中退。合宿にも参加できない。新しいところに行けば
1からやり直さなくてはいけない。そんな事赤也君には耐えられないでしょ」

まぁ、そうだな。そう言った皆

「だから、合宿所で生活をしながら立海に通うの。
当然、ここで朝練があるから、合宿所の朝練なんてさせないとコーチたちからの伝言もあるし。
あそこにいれば、嫌でもコートから聞こえる声で起きるでしょ」

「そうか。それは助かるよ」

そう言ってくれた精市君

「あたしもそんなしょっちゅう合宿所に行ってるわけでもないけど
赤也君の行動は、お兄ちゃんもいるし、サブちゃんも行くことが多いから見てくれるでしょ」

「そうだね」

「じゃあ、ダブルスでの練習は日曜日にしようか。
今日と明日はシングルスの練習にするよ」

「うむ」

「えぇ構いませんよ」

「赤也。俺とやろうか」

「いいんっすか!?」

「勿論。遅刻しなかったご褒美だよ」

これがご褒美になるのかな?

「やりぃ!」

弦君は比呂士君と
ブンちゃんはジャッカル君と組んでいる

「蓮二君はいいの?」

「構わん。赤也が放課後に
俺に練習をせがんで来る確率91%だからな」

へぇ

「みんな中学から一緒なんだっけ」

「あぁ」

だから、手の内も読めるというわけだ

「ドリンク作ってくるね」

「分かった」

ノートをベンチに置いてドリンクを作りに行くと

「あれ?」

テニス部のジャージを着ている集団

「なぁ、あのマネって仁王と付き合ってるってマジ?」

「らしいぜ」

「あの仁王がなぁ」

「どうせ、遊びに決まってんだろ」

そんな会話が聞こえてきて

アソビ、か

「まーくんらしいかなぁ」

「聞いてたのかよ?小野」

「聞こえてきたの」

来年、3年に上がったタイミングで
小野から越智に戻すけどね

「あのさ、ここで話しているのはいいの?
後で精市君や弦君に何を言われても
あたしは助けないよ?」

「んだと!?」

「全くだな」

「げ・・!や、柳!?」

2/13ページ
スキ