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夏休みが明けて
10月の少し肌寒くなってきたころ

「おはよう。乃愛」

「おはよう。蓮二君」

「赤也も一緒だったのか」

「うぃっす」

あたしは、合宿所から立海まで赤也君と一緒に登校してきている

「部活の朝練に遅刻しないのはいい心がけだ」

「そんな、毎日遅刻してるみたいじゃないっすか」

「当たりだろう?現にお前は弦一郎に怒られている姿をよく見られているしな」

「うげっ」

「相変わらずだね?あ、そうだ。蓮二君」

「何だ」

ジャージに着替えてきたあたし達

「10月9日、部活休むね?」

「珍しいな」

「うん」

お兄ちゃんから急に
両親が帰ってくるという報告を受けたのだ

しかし、金曜日ということもあって
学校を休むわけにもいかないとお兄ちゃんから言われて
放課後迎えに来るから、そのまま1度越智家に帰るということになった

「滅多に帰ってこないくせに、こういう時には帰ってくるんだから」

「滅多に。ということは身近な人物ということだろう」

「そう。あたしの両親」

「「両親?」」

「海外に拠点を置いてるからさ。
日本(こっち)にはめったに帰ってこないんだよね」

「そうか。精市には伝えておこう」

「ありがとう」

同じクラスだから、自分から言っても良かったんだけど
蓮二君が言ってくれるならそれはそれでいいのかも

「日曜日の練習にはちゃんと出るからね?」

「分かった」

コートに行くと、まばらに集まっている部員たち

「おはよう。3人共」

「あぁ」

「おはよう。精市君」

「うぃっす!」

「仁王は遅刻かな」

「どうだろうね?」

そんな話をしながらコートに入って行った3人

「おっす!」

「おはよう。ブンちゃん。まーくんは一緒じゃないんだ?」

「アイツ?連絡来てねぇのかよ?」

連絡?

「下の弟妹が熱出して、アイツの両親も
仕事休めねぇから今日は仁王が面倒を見るんだと」

「そうだったんだ?」

「まぁ、心配ねぇだろぃ。明日には来るって言ってたし」

明日は・・・

「よぉ。どうかしたのか?」

「あ、何でもない
おはよう。ジャッカル君」

「おう」

「なんだ。浮かない顔をしているな
朝からそんな辛気臭い顔をするものではないぞ」

そう言った弦君はいつものことながら
いうことがおじさん臭くて

「おはよう」

「あぁ」

「おはようございます」

「おはよう、比呂士君」

「おや、珍しく切原君が遅刻していませんね」

「うむ。その様だ。だがしかし
仁王がいないんだな」

「休みらしいよ」
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