38
夕食をテーブルに持って行ってくれたお兄ちゃんたちと一緒にセッティングしていく
「乃愛、10月1度ここに来るといい」
「何で」
「お前の誕生日があるからだ」
「うん?」
「それに、金曜日だしな。泊って行っても問題ないだろう」
外泊届さえ出してしまえばね?
「じゃあ、金曜日は、お兄ちゃんを堪能できるんだ?」
「そう言うこっちゃなぁ」
「なんや。越智先輩も乃愛には十分甘いやん」
「そりゃ、妹だからだろぃ」
「それだけではない」
そう言ってくれたお兄ちゃん
「え?」
「俺が中1乃愛がまだ、幼稚舎にいたころから
両親はともに海外での仕事で家にいなかったからな。
ずっと、甘えられる人が俺しかいなかっただけの話だ」
「ほんまかいな」
「本当だよ。言ったでしょ?立海で
あたしが高2に上がるタイミングで立海に来たのは
お兄ちゃんが、氷帝を卒業してしまったから。
両親は、あたしが幼稚舎の3年生だったころから海外だし、相談できる相手も越智家の中にいる人間だけだったの」
「マジかいな」
「誕生日も、クリスマスも。家族でやった事があるのは2年生まで。3年生からはお兄ちゃんと2人。
でも、中学の時にはお兄ちゃんは既にこの合宿所に来ていたしずっと1人だった」
「!?」
「でも、今年は違うだろぃ?」
「え?」
「仁王がいるじゃねぇか」
まーくん?
「話したんだろぃ?」
そう言えば
「教えてくれてたんだね?
あたしの誕生日」
「あぁ」
「ありがとう。でも、誕生日当日は
修ちゃんとお出かけだから、まーくんとは出かけないよ」
「マジ・・・?」
「うん」
「におー先輩、不憫だ」
そう言って来た赤也君
「日曜日一緒にいりゃいいじゃねぇか」
日曜日・・・?
「何で?」
「アイツ、日曜日は確か暇だよな」
そう言って来たブンちゃん
「部活が終われば暇って言ってた気がするっすけど」
そうなんだ?
「一緒にデートでも、すりゃいいじゃねぇか」
「で・・・!?」
「何でそこで照れる必要があんだよ」
「だ、だだだだだって!」
「だが多すぎじゃね」
うぅ~~~
「仁王には言っておいてやるよ」
言わなくてもいいのに
「でも、におー先輩っていつでも無表情ですよね」
「いや。アイツ分かりやすいぞ
分かりにくいのは真田と柳だろぃ」
「確かに」