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それでも、自主練とはいえ
いつもとほぼ変わらない練習量を熟している皆と
ブンちゃんや赤也君に侑君

「ここまでにしとくか」

そう言ったお兄ちゃんの声に覚醒したあたし。

「随分と寝とったなぁ」

「うん・・・?」

あたしの上に掛けられていたお兄ちゃんのジャージ

「ありがとう」

「いや。構わないが、まだ眠そうだな」

「そうでも、ないよ?」

「確実に眠いんやろ」

そう言って来た修ちゃん。さすがは
あたしを中学から知っているだけのことはあるのかもしれない

「しっかし、良く寝るよなぁ」

「どういうことだ」

「古典の授業とか、良く寝てるし」

そう言ったブンちゃん

「言わなくてもいいじゃんか」

「マジっすか?それでも赤点取らないとか
羨ましいっすよ」

取るわけがないじゃん。ここに来れば
教えてくれる人たちがいる。

「まぁ、それは中学も一緒やったなぁ」

そう言って来た侑君

「その癖直ってないのか」

「「クセ?」」

「あぁ。氷帝の幼稚舎(小学校)の時から
嫌いな教科は寝て過ごしている。
まぁ、乃愛が嫌いなのは文系だろう」

「マジ?」

「あぁ」

「文系なんて、ただただ眠くなるだけじゃん。
理数系の方がよっぽど面白いもん」

そう言ったあたしに噴出してきた赤也君

「乃愛先輩って、逆だと思ってましたけど」

「逆?」

「文系が得意なのかと」

「嫌いだよ。覚えたところで、なんの得にもならない」

はっきりとそう答えたあたしに

「そうかぁ?俺は意外と文系好きだけどなぁ」

そっちのが以外かも
中に戻ると
コーチたちが既に食事を終わらせていて

「お帰りなさい」

「あぁ」

「ただいま?」

時計を見ると19時を回っていて

「赤也君はともかくとして
ブンちゃんと侑君はここにいても平気なの?」

「平気やで」

「俺もだ」

そうなんだ?
キッチンに入ると、下ごしらえをしておいた食材を焼いていく

「すっげぇ旨そうな匂い」

「確かに」
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