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あたしが飲み物を取って戻って来ると

「そう言えば」

「ん?」

「乃愛、お前誕生日っていつだよぃ」

「あたし?」

「そう」

「10月10日だけど言ってなかったっけ?」

「初耳だぜぃ」

「しかも、誕生日2カ月後じゃないっすか!」

「そうだなぁ」

「そうだね?」

あたしは、いつもここでお祝いしてもらえてるから
あんまり気にしたことがなかったんだけど

「仁王先輩って、誕生日知ってるんっすか?」

まーくん?

「知らねぇんじゃね?
もしくは、毛利先輩に聞いてるかもしれねぇけど」

「聞かれてないから教えてないよ」

「マジかよ」

「え?じゃあ、仁王先輩の誕生日は」

「知らないよ。聞いてないもの」

ありえない。そう言うような顔をしている
ガムレッド

「じゃあ、俺達の」

「全く分からない」

そう言ったあたしの言葉にがっくしと肩を落とした赤也君たち

「でも、そうしたらみんなでお祝いできるんっすね!」

「だな」

「へ?」

「だってそうだろぃ?10月は学校もあるしな」

そうだけど

「じゃあ、俺が教えてやるよ」

「何を」

ニヤニヤしているブンちゃん

「仁王の誕生日」

「いやいや」

「何でだよぃ?」

「それじゃ、ストーカーみたいじゃん
それに、ここにいるのは今週だよ?
またどうせすぐに会えるもん」

「「(仁王(先輩)には勿体ねぇ)」」

そんなことを思われているなんて気づいていないあたしには

「ならよ。俺の誕生日教えてやるよ」
「俺もっす!」

「はい?」

「知っておいて損はねぇだろぃ?」

損はないだろうけど・・・

「俺は4月20日だ」

ブンちゃんは通り過ぎてるのね?

「俺は9月25日っす」

「来月・・・かぁ」

「うぃっす!」

「ま、仁王もこれからだけどな」

そうなんだ?ということは秋から冬なんだね?

「でも、確か10月って」

「柳生と一緒だろぃ」

そうなんだ?

時計を見ると、お昼近くになっていて

「お昼にしようか」

「もう、そんな時間!?」

「そうだよ?」

席から立ち上がると

「乃愛先輩って、料理上手で仁王先輩が羨ましいっすよ」

「そんな事ないと思うけど」

冷蔵庫の中を見ると、相変わらず
すごい量の野菜やら
お肉やら、いろいろと入っていて
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