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「乃愛、宿題もって来ぃ」

「うん」

寮の方に走っていくと、寮の目の前には

「あれ?まーくん」

「お帰りんさい」

「ただいま・・・?何でここにいるの」

「お前さんが帰ってくるのが遅いだけじゃ」

はい?

「しかし、随分と急いでるようじゃの」

「うん。このまま帰省するからさ。お盆の間はね」

「なんじゃ、つまらんのぉ」

何を言っているんだか

「まーくんだって、下の子の面倒を見るんでしょ?」

「そんな毎日じゃなか」

そうなんだ?

「しかし、帰省となるとほんと、暇になるのぉ」

まーくんがここまで言うということは
本当に暇なんだろう

「じゃが、何でここにおるんじゃ」

「宿題取りに来ただけ。
ちゃんと帰ってくるよ。立海(ここ)に」

「本当か?」

「本当」

そう言ったあたしの顔を覗き込んでいるまーくん

「ちゃんと、話してきた。
立海に残ることも、まーくんと付き合ってることも」

「そうか」

部屋に入って宿題をまーくんが
重いからと荷物を持ってくれて
それを持ったまーくんと一緒におりて
門の所に行くと、蓮二君と精市君がいて

「何だ。仁王もいたのか」

「寮の前にいた」

「へぇ。心配だったわけだ」

「当り前じゃ。
じゃが、乃愛がここに帰ってくるって
俺に言ったから。それは信じるぜよ」

そう言ってくれたまーくんを
マジマジと見ている修ちゃん

「なんじゃ」

「なるほどなぁ。氷帝のあの
メガネと似てるわなぁ」

「あんなヘンタイメガネと一緒にするんじゃなか」

ひょいっとまーくんの手からあたしの宿題を奪い取った修ちゃんは後部座席にそれを乗せていて

「ほんじゃ、乃愛は預かるわ」

「はい」

「乃愛」

「んー?」

「早く帰って来んしゃい」

!?
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