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私服に着替えて来た修ちゃんは
車のキーをしっかりと持ってて

久々に修ちゃんの運転でしかも
修ちゃんの車の助手席に座れる

「乃愛」

「うん。行って来ます」

「あぁ」

「気を付けるんですよ」

「?うん」

「分かっていないでしょう」

育人先輩の言っている意味がよく分からない

「乃愛」

「?」

「君島はな、心配なんだよ」

心配?

「いろいろあったから。余計に」

「そっか」

「まぁ、今日はこれですぐにまた
乃愛を連れて帰って来るさかい。ええんとちゃう?」

「ほう」

「宿題持ってくるだけだもん」

「そうか。夏休みだったな」

「そ。だからこの休みで片しちゃいたいんだよね」

「それは賢明な判断です」

修ちゃんの車に乗り込むと

「眠かったら寝とってもええよ」

「でも・・・」

「俺も起こさへんし
乃愛を置いてどっかにも言ったりせぇへんよ」

「うん」

立海の寮までそんなにない距離を走ってくれた修ちゃん

立海の入り口には弦君たちがいて

「やぁ、お帰り」

「話せたのか?」

「うん」

「なんや。お前らもおったんか。
乃愛ん事、これからもよろしゅうな」

「え?」

「乃愛は、氷帝には戻らへんよ。
立海におるって自分でゆーたからな」

「そうか」

「毛利も分かってた事やから何も言わへんかったしな」

「そうですか。でも
車で送って来るにはそう距離も」

「あぁ。乃愛はこれから
合宿所に帰省や」

「「は?」」

「合宿所に、帰省って」

どういうことだ。と言いたげな顔をしている精市君たち

「ツキと乃愛の両親は今は海外や。
そんな家に帰らせるはずがないやろ?
テニス部も休みやゆうことで
ツキのいる合宿所に帰省するついでに
宿題を片付けるだけの話や」

「なるほど」

「それはいい考えだが」

「赤也よりはいいんじゃないかい?」

「そうだな」

何で、赤也君?

「アイツは最終日に柳に泣きつくからな」

そうなんだ?
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