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「まさか、毛利」

「俺やないですって」

練習を終えたらしいお兄ちゃんもこっちに来て

「お帰り乃愛」

「ただいま」

「で?何を皆してラケットを落としている」

「ツキ、ほんま。乃愛に兄貴離れされるかもしれへん」

「どういう意味だ」

「乃愛に彼氏が出来たらしいで」

「ほう。しかし立海の連中の中だろう?
毛利ではないのなら安心だ」

「ちょっ何で
俺じゃ安心できへんみたいな言い方」

「当たりだ」

そう言ったお兄ちゃんの目はそれでも揺れていて

「で?乃愛の彼氏は」

「立海のまーくんだよ」

「まーくん?」

誰だ見たいな顔をしている皆
ただ1人。立海のテニス部員を覗いては

「仁王やね。仁王雅治」

「ほう」

「乃愛が決めた事ならば、俺は反対できないな」

そう言ってくれたお兄ちゃん

「ありがとう」

「さして問題はない」

「で?今日は何をしにここに来たのですか」

「あぁ。乃愛の今後の話をするゆーたやないですか」

「そうですが。彼らは」

「あたしだけだよ」

あたしを信じてくれて
立海で待ってくれる人たちがいる。
その気持ちにはあたしは応えたい

「そうですか」
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