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「まぁ、少し練習でも見とき。ツキも乃愛が
来ていることにはもう気づいとるやろ」
「だろうね」
お兄ちゃんだもん。
あんな長身じゃすぐに見つかるって
「しっかしこの間と打って変わって
元気そうで安心したわ」
「ありがとう。修ちゃんには先に伝えておくね?」
「何や?ほんまに失恋でも」
「逆だよ。彼氏が出来たの」
そう言ったあたしの言葉に固まった修ちゃん
「嘘やろ!?」
「何だ?」
「勘弁しろし」
「何事だい?」
「騒がしいですね」
「全くだ」
そんな言葉を聞きながら笑いをこらえているサブちゃんの姿
「やっぱ、仁王だけでも連れてくれば良かったんとちゃうか。乃愛」
「えー。だって今日はブンちゃんと赤也君と遊ぶらしいし。
そこまで邪魔はしないよ。あたしだって」
「さよか」
「で?何を騒いでるんだ。種ヶ島」
「どうせ、大したこと無いんだろ?」
うん?
「大問題や。乃愛に彼氏が出来たなんて」
そう言った修ちゃんの言葉に
持っていたラケットを落とした皆
「ちょっ」