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コートの方を向くと
「不二君、ずっと後ろ側にいるね」
「あぁ。不二のテニスは、カウンターテニスだしな」
カウンター・・・テニス?
「どちらかというと、攻撃よりも守備なんだよ。不二は」
へぇ
「しかし、精市も負けてはいられないだろう。王者・そして、常勝の名を持つ立海の部長だ」
そう言えば・・・お兄ちゃんにも同じことを言われたっけ
「流石だよ。不二」
「幸村こそ」
そんな声が聞こえたと思ったら
「ゲームセット、ウォンバイ
青学不二7-5」
「完敗だ」
そう言って戻って来た精市君
「お疲れ様。お帰りなさい」
「あぁ」
「しかし、部長も副部長も負けるなんて」
「向こうも同じだろう?それに
真田も俺も対戦したのは
一昨年と一緒だ、ただ違うのは、あの頃よりもテニスにおいて実力(ちから)がお互いに着いているということだ」
ちから、か
「そうだな」
手塚君も不二君もこっち側に来てくれて
「すまなかったね。手塚」
「何がだ」