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樺ちゃんのパワーテニスを難なく
熟したまーくん

「プリ」

「ちぇ・・・っとれないと思ったんすっけどねぇ」

「残念じゃったの。桃城」

「戻したか」

「え?」

「ラケットを左に持ち替えてやがる」

「まーくん」

頑張って。そう思うしかなくて

「乃愛。仁王をしっかり見ておくといいよ。
あのトリックプレイも仁王の必殺ショットも
出てくるよ」

まーくんの必殺ショット・・・?

「あんま、見せたくないんじゃがのぉ」

へ?
フラフラとし始めたまーくん

「何を、する気なの?」

「良く見ているといい。
仁王が出すのはこれで2度目だ」

2度目?

「あぁ、あの例の」

まーくんがラケットを振り上げたと思ったら
急降下してモモシロ君の方に入ったボール

「!?」

「メテオドライブ」

メテオ、ドライブ・・・?

「仁王の必殺ショットと言ってもいい。が
アイツはペテン師でこの技を出すことはそうそうない」

「そっか」

「ゲームセット!60-58で立海大付属7-6。仁王」

汗だくになったまーくんがコートから出てきて

「行ってこい。乃愛」

「うんっ」

タオルとドリンクを持って
まーくんの所に行くと

「サンキュ」

「お疲れ様」

タオルを取ったと思ったら

「うわっ羨ましいっすよにおーさん」

「羨ましいじゃろ。桃城。
じゃが、コヤツが、こうなるまでには
ちと時間が必要じゃがのぉ」

時間・・・?
こうなるって何?
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