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そう来たのは侑君と

「乃愛もやっと入れるようになったのね?」

「「誰だ?」」
「誰っすか!?」

「琉唯ちゃん!」

「ほんと、プールとか苦手なくせにな」

「宍戸まで」

「用事が終わったから来たんだと」

終わったんだ?
でも一緒に来るなんて一緒の用事だったのかも

「そうだ。乃愛が泳げなくなったのって」

「お前らも知ってるだろ?秋月」

「あぁ。あのテニス部の」

「そう。その秋月が
中等部の時に呼び出したんだ」

「「呼び出し?」」

「あぁ」

「夜のプールに。秋月の家の人間を使って
夜のプールに落としたんだ」

そう言った亮君の言葉に
驚きを隠せていない立海のメンバー

「当然、いつもいる時間にいないとなれば
越智の家の人間だって可笑しいと思うだろう。
しかも、乃愛の兄貴でテニス部OBがいる」

「あぁ。あの背が高い」

「あぁ。その兄貴が乃愛が帰ってきていないと
わざわざ宿舎の違う中等部まで探しに来たんだ。
氷帝にいるテニス部の人数は200人弱。
少なからず乃愛と同じクラスだった人間もいた。
そいつらは、すでに乃愛がクラスを出ていることも証言し
兄貴も帰ったように見せかけて探したんだろう。
ようやく見つけ出したのは早朝のプールだ」
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