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「おい、乃愛」
「けーご君?」
「何かあったらいつでも氷帝に戻って来い」
何かあったら?
「特に、仁王になんて泣かされんじゃねぇぞ」
「うん」
そう言って出て行ったけーご君たち
「心配性なのか?跡部は」
「そうだろうね」
タッパを出して広げると
「また、随分とすごいね」
「そうでもないよ?
皆だって見たことあるでしょ
合宿所の食事の量」
そう言ったら
「そうだな。あんな大所帯の量
作ってたんだっけ」
「うん」
お弁当を食べながら、午後からの話をしていて
「乃愛は、もうちょい練習じゃのぅ」
「まだ、するの?」
「当り前だろぃ」
「そうっすよ!」
なんで当たり前にするんだろう?
「どうせ、お前たちはまたスライダーを
乗りに行って来るんだろう?」
「うぃっす」
「そうだな。ジャッカルも一緒に行くだろ?」
「俺か。一緒に行くか」
食べながら午後の話をしていて
「ただ、乃愛は泳いでいるだけならつまらないのではないか?」
「そうでもないよ?
意外と足だけ入れてても水の流れとか
感じるのも好きだからさ」
「へぇ」
「意外じゃのぉ」