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自分たちの荷物も一緒に持ってきてくれた蓮二君たち

「持ってきたぞ。浮き輪」


「うぅ」

「乃愛」

再びまーくんの手によってプールの中に入れられたあたし

「ちょ、だから、足!足が」

「ちょい、我慢しんしゃい」

そう言ってあたしの頭の方から浮き輪を入れ込んできたまーくん

「手、片てずつ、出してみんしゃい」

その言葉と同時に出したら

「あれ?沈まない・・・」

「じゃろ」

ぷかぷか浮いていると

「何だろう?兄妹にしか見えないね」

「だな」

「イジワル」

「はいはい」

「先輩、ちっちゃいっすもんね」

そう言って来た赤也君

「好きでチビじゃないんですー」

「乃愛はちいせぇからいいんじゃん」

「そうだね」

そう言って来たブンちゃんに精市君は
何気なく酷いと思う

「というよりも、乃愛」

「んー?」

「お前、いつから泳げないの」

いつから?
あれ?
小学校の時は

「ずっとだと思うけど・・・
何か曖昧なんだよねー。
何時から泳げないとか覚えてないの」

「嘘だろぃ?」

「本当。お兄ちゃんなら覚えてるかもしれないけど」

「あの合宿所の?」

「そう」
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