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大きめのプールに移動させられたあたし達

「何で、ここ・・・?」

その場所は誰もいなくて

「跡部にここを使っても構わないと言われたからね」

けーご君が?

「乃愛の為だそうだよ」

「え?は?え?どう言うこと・・・?」

「そのままの意味。氷帝も立海も
文武両道を掲げているからね」

あたし以外のみんながプールに入ったのを確認しても
中にはなかなか入れなくて

「乃愛」

「まーくん?」

「手、貸しんしゃい」

そう言って出してきた手
それを見たブンちゃんと赤也君がニヤリと笑っていたのに気づかず
手をまーくんの方に差し出した瞬間

グッと引っ張られて、プールの中へ入れられてしまった

「ちょ、あ、足っ
足、着かない!」

まーくんに必死にしがみ付いて立っているのが精いっぱいだ

「本当に泳げねぇんだな」

「だな」

「浮き輪でも借りてこようか」

そう言った精市君の言葉に
噴出して笑っているブンちゃんと赤也君

「そうじゃのぉ。いつまでも
この体制はちとキツイしのぉ」

そう言って1度プールから出されて
浮き輪を取りに行った蓮二君と精市君を待つことに

「しっかし、ここまで泳げねぇのも初めて見たんっすけど」

「俺も」
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