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まーくんに手を引かれて連れていかれたのは

「何で、スライダー・・・?」

「俺が一緒に乗れるからに決まっておるじゃろ」

!?

「俺が乃愛に触れてたいだけじゃ」

触れてたいだけ、それはあたしだってそうだけど・・・

近づくに連れて、怖くなってきて

「大丈夫ナリ。俺がついてるじゃろ」

「う、うん・・・」

まーくんが最初に座って、その上に
座らされる形になったあたし

「大丈夫・・・?」

「平気じゃ」

いってらっしゃーい!
という大きな掛け声とともに
手を離されたあたし達

急降下していくのをまぢ亜で見て居なくちゃいけないあたしは
とてつもない恐怖で

ザッパーン!という波しぶきと共に
終わったのだと思った瞬間

「きゃぁっ」

「平気じゃ。俺がいるじゃろ」

あたしの身体ごと奥の方へと連れて行ってくれたまーくん

「うぅ・・・」
怖かった・・・

「泳げねぇのに、これに乗ったのかよ」

「乗ったんじゃが、乗せたの方が正しいじゃろうな」

「は?」

「どういう」

「思いっきり入ってしまえばそうでもないじゃろ」

「それは、お前たちはだろう?」

そう言ってくれた蓮二君

「のぉ、柳」

「何だ」

「明日から俺は乃愛の泳ぐ練習に付き合うなり」

「ほぉ」

「いいよ。俺は」

そう言った精市君

「いーやーだー」

「「イヤ。は聞かないぞ」」

うぅ

最悪だ・・・

「なら、仁王」

「夏休みの部活を全員半日にしよう」

!?

「へ?」

「マジかよぃ」

「ただし、その後の半日。乃愛の
水泳の練習にしよう」

「マジ!?」

「あぁ」

「いいんじゃなか。
水に浸かってるのは平気みたいじゃしのぉ」

「その様だな」

スライダーの方を見ている男たち

「勢いがあったから余計に入れたのかもな」

「そうかも知れないっすね」

そう言っているブンちゃんに赤也君

「なら、もう1度乗せるか?」

「もう、いい」

こんなの、乗りたくない
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