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「行っておいでよ。乃愛も仁王も
真田は放っておいていいからさ」

そう言ってくれた精市君の言葉に甘えて
まーくんたちと海の中に

「きゃぁっ」

思いっきり引っ張って入れられたあたし
まーくんは、ぶんちゃんに同じことをしていたけど

「もーっ冷たいじゃん!」

「いいじゃないっすか」

ばしゃっと海水を赤也君に掛けると

「うぉっ」

「乃愛!」

「へ?」

ザッパーンとまーくんと一緒に
海の中に再び入れられたあたし達

「も・・・
しょっぱいー」

「そりゃそうだろぃ」

そんな話をしていると

「楽しそうだな」

そう来たのは蓮二君と精市君で

「弦君は?」

「荷物番。アイツが1番
番犬になるからね」

番犬・・・
人間じゃなくて、犬ってどうなの

「そりゃいいかもな」

「そうでしょう?」

比呂士君の後ろにはニヤリと笑っているまーくんの姿があって

「隠れるならもっと上手く隠れるものだ。赤也」

そう言った蓮二君の後ろには赤也君がいて

「何で分かるんっすかーー!」
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