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立海からほど遠くない場所にある海岸

「こんな近くに海なんてあったんだね」

「あぁ。意外だったかい?」

「もっと遠いイメージがあったから」

「うん。あるけど、今日と明日だけだし
そんな遠くなくてもいいかなって感じだね」

そか

「先に着替えておいで」

そう言ってくれた精市君の言葉に甘えて
水着に着替えて、パーカーを羽織って戻って行く

「お待たせ」

「何だよぃ。水着でくりゃいいだろうが」

そう言ったブンちゃんの言葉に
パーカーを脱がし始めたまーくん

「ちょっ」

だけど、すぐにファスナーを上にまで上げて来た

「こりゃ、見せられんのぉ」

「は?」

そう言ったまーくんに疑問の声を出した赤也君

「えーっ見せてくれたっていいじゃないっすか!」

「そうだぜ」

砂浜に荷物を置いて行く皆は
口々にいろいろ言っているけど

「ふふ」

「精市」
「どうした」

「じゃあ、先に遊ぶとするかい?」

そう言った精市君の言葉にニヤリとしている
ブンちゃんと赤也君

「脱がないよ?」

「無理。これから海に入んのにパーカーなんて必要ねぇもん」

「そうっすよ!一緒に海に入りましょーよ!」

「ダメじゃ。乃愛は足だけにしときんしゃい」

「随分と過保護だね。仁王」

「その様だな」
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