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そんな中

「あっちぃー」
と言いながら入って来た赤也君

「随分と遅かったな」

「クラスのやるものが多くて」

「そうか」

「なんかあったんすか」

「いや。何でもない。毛利先輩が暫く不在になるということだけだ」

「マジっすか」

「あぁ」

きっと、皆あたしと同じくらい不安なのかもしれない
同年代で駆り出されているかもしれないのが
けーご君と侑君なら、尚更

「乃愛先輩?」

「ごめん。今日だけ氷帝に行って来てもいい?」

その言葉に驚いている立海の皆

「あの学園にはまだ乃愛を」

「うん。だけどそれでも
あの2人がいるか確かめて来たい」

そう言ったあたしの言葉にため息をついた
精市君と蓮二君

「乃愛1人で行かせるのは危険もするけど」

「大丈夫だよ。琉唯ちゃんもいるから」

「「「「琉唯ちゃん?」」」」

「氷帝にいた時の唯一の親友」

その日、そのまま氷帝に行くのに
何故か、ブンちゃんと蓮二君が一緒に来て

「心配性だなぁ」

「そりゃ、なぁ」

そう言ったあたしに何とも言えない返事をしてきたブンちゃん

「散々なことをされてきたのに、1人で行こうとするからだろう」

そう言い切った蓮二君

電車とバスを乗って来た氷帝学園高等部

「しっかし、相変わらず城みてぇな学園だぜ」

「まぁ、色々とけーご君の家でやってるしねぇ」

「「は?」」

「跡部財閥が多額の寄付してるんだよ。氷帝学園に」

「マジかよ・・」

そんな話をしていると

「乃愛。待ってたよ」

「お前、男子の制服なのか」

「まぁね。この方が割といいんだよ」

そう言って来た琉唯ちゃん

「男?」

「女だ」

男と聞いたブンちゃんに女だと答えた蓮二君

「女なのかよ」

「まぁね。で?跡部と侑士でしょ」

「うん」

「悪いけど、2人ならいないよ。
暫く学園にも顔を出せないと言っていたけど」

「「!?」」

やっぱり、か
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