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お祭りの会場で買ったラムネを開けてくれたまーくん

「ありがとう」

「ええんよ」

少し離れた場所にあったベンチに座らせてくれたまーくんは

「草履、脱いどきんしゃい」

「え?」

草履を脱ぐと

「やっぱりな」

そう言ったまーくんの言葉に

「やっぱり、って?」

「慣れてないもん履いたからじゃろ」

そう言ってくれたまーくんは
誰かに連絡しているようで

ラムネを飲んで、座っていると

「全く、せっかくの休みにお前に呼び出されるとはな」

「すまんのぉ。柳」

「蓮二、君・・・?」

「足。見せてみろ」

「へ?」

しゃがみ込んで、あたしの足を見た蓮二君

「なるほどな」

ガーゼに塗り薬を付けて当てて来た蓮二君

「いたっ」

「だろうな」

だろうなって

「これでいいだろう」

両足とも見てくれた蓮二君

「さすがじゃのぉ」

「いや。そうでもないだろう
しかし、ガーゼも当てずに草履を履いているとは思いもしなかったが」

「そうじゃの」

「な・・・!」

「だが、いい物を見られたぞ」

「見世物じゃないナリ」

「そう言うな。仁王」
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