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「なるほど。
なら、先に昼でも食べに行こうか」

「え?」

「アイツに見られたくないんだろ?」

「まぁ・・・」

そう言ってあたしの手を引いて歩こうとしたときだった

「他の男の所になんて行かせん」

え・・・?

振り向いたらまーくんに抱きしめられていて

「お前さんは誰じゃ」

「あ?」

「ま、まーくん・・・苦しいっ」

すまんすまんと言ってやっと
放してくれたまーくんは琉唯ちゃんの方を見ていて

「誰って、乃愛の親友」

「何?」

あながち間違ってはいないけど・・・

「る・・・」

「そうだね」

ぐっとあたしを琉唯ちゃんの方に寄せてくれたおかげでまーくんから離れられたけど

「じゃ、これからお昼に行こうか。
乃愛は何が食べたい」

「あたし?」

「そ。乃愛の食べたい物でいいよ」

「サンドイッチでいいかなぁ」

「なるほどね」

スマホで調べている琉唯ちゃんは流石だ

「ここら辺に喫茶店があるっぽいよ」

そう言ってくれて、その喫茶店に向かうことに
歩く事数分

「本当に近いな」

「うん」

一緒に入ると、店内も落ち着いた雰囲気で

「2人」

「奥のお席へどうぞ」

そう言ってくれた店員さんの言葉に奥の席に座ることに

「乃愛は本当は何が食べたいの」

「え?」

「サンドイッチなんて柄じゃないじゃん」

うぅ

「パスタが好きなのも知ってる
パンが好きなのも知ってる。
いいよ。好きなの選んだって。誰がどうこう言うわけじゃないでしょ」

「うん」

それでも結局サンドイッチのサラダ付きのものを選んで、アイスティーにした

「琉唯ちゃんはやっぱり大人だね」

「は?何、急に」

「ううん。何でもない」

「へんなの」

そう言われるのも慣れてしまった。

「氷帝から、立海に行くの。本当はさ
私にも相談してほしかったよ」

「え?」
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