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そんなことを思っていると

「乃愛?どうかしたのかい?」

「精市君、さっきまでサブちゃんの
後ろ姿があったんだけど」

「後ろ姿?」

「うん・・・」

でも、もう見えないところを見ると
どっかに行っちゃったのかもしれない

「乃愛、今は部活に集中しようか」

「あ、うん」

コートの中に戻って行ったあたし達
スコア表も付けながら
他の皆のも付けていく

他の皆と練習を再開して
終わらせた後

皆が集まっているときだった

「明日の練習は自由にしようと思うんだ」

「珍しいではないか。
自由参加など」

「1つは明日のお祭りに付き添いのメンバーもいるということ
2つ目は、仁王と乃愛の為だよ」

そう言った精市君はにこりと笑っていて

「いいのではないか?」

「柳?」

「少なからず、乃愛が来て付き合い始めてから
部活にもちゃんと出ているし、アイツのプレーにも
乃愛が来てから格段と良くなっているのも事実だ」

そう言ってくれた蓮二君

「明日の練習は、俺と弦一郎で来た奴の面倒を見るとしよう」

「うむ。いいだろう」

そう返事をしていた弦一郎君

「真田はいつでも闘志むき出しと言うか
考え方が古臭いというか」

そんなことを言っている精市君に苦笑いしか出来なくて

校舎から少し離れた寮のある場所に着くと

「のぉ、乃愛」

「んー?」

「明日、楽しみにしてるぜよ。
可愛い格好してきんしゃい」

可愛い格好ってどんな格好なんだろう?
合宿所には女の人がいないから
それすらよく分からない

「うん」

「そうじゃのぉ」

「まーくん。あのね?」

「何じゃ」

「お祭り会場で待ち合わせ、したいな」

「ええよ?」

そう言ってくれたまーくん
待ち合わせなんて、滅多にできるもんじゃないからちょっと嬉しいかも

「ありがとう」
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