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「ん・・・っ」

あたし、寝ちゃってたんだ

起きたらあたりは薄暗くなっていて
そこそこに寝ていたんだと実感する

起き上がると

「良く寝ていたわね」

「はい。ありがとうございました」

「いいのよ」

保健室を出て教室に戻ると
幸村君がいて

「あれ?」

「仁王はまだ来ていないよ。そろそろ行こうか」

そう言って、あたしの手を取って外に出た時だった

「幸村」

「何だい?仁王」

「乃愛は俺が予約しとったんじゃ。
連れて行くんじゃないナリ」

あたしの手を取って、教室にまで再び連れていかれたあたし

「ま、まーくん・・・?」

「油断も好きもない」

そう言ったまーくんはあたしの手を握る力を少しだけ強めてきて
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