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~保健室~
「あら。今日はやけに人が来るわね」
「乃愛、寝とるじゃろ」
「えぇ。寝かせておいてあげなさいな」
カーテンを開けると、ただ寝ているだけの乃愛の姿
「熱があるわけじゃ」
「ないわよ。ただ、疲れただけでしょ」
疲れただけ。そう言った保健の教師は
「ん・・・」
起こしたか?
そう思ったが、起きる気配のない乃愛は
仁王がここにいる事さえ気づいていないだろう
「後でまた来るぜよ」
そう言って保健室を出た仁王。
「あれ?仁王」
「幸村」
「乃愛の事かい?」
「あぁ。寝てるぜよ」
「寝てる?」
「あぁ。熱はないというとったが
寝とるから、そのままにしてきたぜよ」
そう言った会話が保健室の入り口で聞こえてきて
「全く・・・」
「じゃあ、俺も帰るとしようか」
そう言った幸村は、仁王と途中まで一緒なのだろう