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「後夜祭、幸村君に誘われたんだろぃ?」
「うん。でも、まーくんにも誘われてて」
「は?アイツ誘ってたのかよ?」
「うん。それを知ってて精市君も誘って来たんだよね・・・」
「うっわぁ仁王の奴、また拗ねそうー」
そんなことを言っていると
「兄ちゃん」
「おー。そうだったな。わりぃな。乃愛」
「何が?」
「アメ、食べやすくしてくれてよ」
「ううん。大丈夫」
リョウタ君に引っ張られて行ってしまったブンちゃん
家の中でもブンちゃんはきっといいお兄ちゃんなんだろう
教室に戻ると凄い事になってそうだからと
着いたのは、保健室で。
「あら」
「お邪魔します」
「どうぞ?今は暇だし、好きなだけいなさいな」
そんなこと言ってくれるのは氷帝以来だ。
しかも、保健室を使っているのも
あの日以来だ
「ちょっと、寝ててもいいですか?」
「えぇ。いいわよ」
あたしは忘れていたのだ。
ここは保健室で、テニスコートからもよく見えるということに
ベッドに横になって目を閉じて
寝てしまったあたしは