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あの後精市君も蓮二君も
休憩をした後、教室に戻って行った
「ま、まーくん・・・?」
「何じゃ」
寝てたんじゃ、なかったの?
「アイツ等が来取ったせいで、眠れんかった」
そう言ったまーくんだけど、満更でもなさそうだ
「さて、俺はテニスコートに戻るとするかのぉ」
「そっか。頑張って」
「おう」
テニスコートに戻って行ったまーくんを見届けた後
駐車場に行くと、まだ、修ちゃんの車があることに気が付いて
車をノックすると、案の定修ちゃんは車の中で寝ていたらしい
「お昼寝?」
「せや。乃愛も乗り」
「いいの?」
「勿論」
車に乗ったあたしに
「仲直りできたみたいやね」
「なの・・・かな」
「乃愛?」
「まーくんはさ、きっといろんな女の人が寄ってくるんだよね。
同級生だけじゃなくて、年下や年上の人でも。
あたしも、その中に入れられてるんじゃないかって思っちゃうの」
「乃愛。俺は、と言うかツキも他の奴らもそうやと思うけど
乃愛は乃愛の思うように動いたらええんと思うよ」
そう言った修ちゃんの言葉はきっと、初日に来た
お兄ちゃんの代わりに行ってくれたんだと思う
「何でもかんでも、言わんのは乃愛の悪い癖やろ」
「あたしの・・・?」