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「乃愛?」

「テニス部・・・本当に行かなくちゃ、ダメ?」

「乃愛が行きたくないなら別に構わへんけど」

けど?

「その中にいるってなれば、誰かくらい
直ぐ見抜けない俺やないってこと。忘れんとき」

そう言って来た修ちゃんは
あたしの手を取って、お金まで払って教室を出ると
笑顔で手を振っている精市君とブンちゃんの姿

「しゅ、修ちゃん!?」

最後に行くと言っていたテニス部にもしかしたら行くのかもしれない
そんなことを思っていると案の定で

「おや。珍しいお客さんだ」

「うむ」

「元気そうやね」

そう言ってきている修ちゃんは

「なるほど。乃愛の元気のない原因は
ここにおったんか」

「「「!?」」」
「どういう」

「言われてる本人は分かってるんとちゃう?
俺が乃愛と一緒にいるのに
乃愛を一切見ようとしない彼やって」

「見ようとしない?」

「それは」

「お前にええこと教えちゃる。
乃愛は、氷帝の忍足に言われたときのようになり掛けとる
それが悪くなれば、もう"2度"とここには来ぃへんよ」

「!?」

そう言った修ちゃんの言葉は若干脅しのようにも聞こえてきているけど

時計を見るとお昼を丁度回ったところで

「乃愛」

「修ちゃん?」

「帰って来たかったらいつでも帰って来ぃ。
あの合宿所は乃愛の味方しかおらん」

「え?」

「今日の"デート"楽しかったで」

!?
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