31


3年の方を先に見に来た修ちゃんとあたし

「お、乃愛。ほんまアリスなんや」

また、アリスって言う・・・

「俺も同じこというたで。毛利」

「修さん!来てたんっすね」

「来ないかんやろ。大事な乃愛からの招待やしのぉ」

サブちゃんのクラスは、お化け屋敷みたいで

「しゅ、ちゃ・・・」

「なんや。まだ暗いところはダメなんか」

「怖い・・・」

それでも中に入って行った修ちゃんの手はあたしを掴んでいて

中で時々驚かしてくるお化け役ですら怖くて
修ちゃんにしがみ付いていた

「あー。おもろかったわ」
「楽しくない・・・」

正反対のことを言っているのに
嬉しそうな顔をしている修ちゃん

「さて、2年の方を見に行くとするか」

「み、見に行くの・・・?」

「当り前や」

別に行かなくても・・・

そんな思いとは裏腹に

「さて、A組からやね」

「い、行ってらっしゃい・・・」

「は?」

クラスの前まで来た修ちゃんにそれを言ったら
変な顔をされてしまった

「あれ?乃愛」

「今日はフリーだろぃ」

「そうなっている」

そう言ってきているテニス部3人

「いや。フリーだけど
修ちゃんと一緒に回ってるから」

「あぁ。なるほど」

中に入れられたあたしと修ちゃん
今日がまーくんがいる日じゃなくて良かった

「そう言えば、テニス部には」

「まだ行ってないんよ」

そう答えた修ちゃんとあたしの目の前には
紅茶が置かれてきて

「あ、ありがとう」

「あぁ」

「とりあえず、このフロア見たら
学年のは全部見たことになるなぁ。
後は部活動系のほうや」

「なるほど。テニス部は最後と言うことですか」

「あぁ」

「面白そうだろぃ」

面白がっているのはブンちゃんと精市君だけだと思うのだけど

「なぁ」

「何ですか?」

「何でここ最近乃愛が嬉しそうにしとったのに
今日に限って、こんな寂しそうなん?」

「あぁ」

「テニス部と関係あるんか?」

「まぁ、部員の中にいるので」

「なるほどな」
6/10ページ
スキ