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「ツキもそろそろ妹離れしなくちゃいけないかな」

「その様だな」

そう言ったあくと君とお兄ちゃん

「そんなに、乃愛と回りたいんだ?」

「「!?」」

その言葉に驚くしかできなかったあたしと
言われた張本人

「な!?」

「分かりやすいぞ。仁王」

「そうかのぉ?」

「では、お前たち2人は午後からフリーと言う名の宣伝をしてきて貰おうか」

宣伝・・・?

「何を考えておるんじゃ。柳」

「ほう。俺の見込み違いか?
乃愛と回りたいと顔に書いてあるのは」

!?
そう、なの・・・?

「そのようだな」

あたしを降ろしてくれたお兄ちゃんは

「乃愛」

「お兄ちゃん?」

「修二には明後日来るように伝えておいてやろう」

最終日?

「うんっ」

「ほんと、種ヶ島さんの名前が出ると嬉しそうにしますよね。乃愛先輩って」

「あぁ」

「それだけ、乃愛が修二に信頼を置いている証拠だ。お前たちにも大分信頼はしてきているようだがな」

「そうなんっすか?」

「あぁ」

確かに、最初のころよりは
大分皆とも馴染めている気がすることはしなくもない
だっけど、それでもいつか同じことをされたとき
あたしは皆に心を開いて裏切り者だと言われたら
それこそどうしたらいいのか分かんなくなるから

「乃愛はな。おそらくまだ氷帝でのこともあって一線引いているからな」

「「!?」」
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