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「じゃあ、呼んでみるといいよ」

そう言った育人先輩は
他人事すぎてどうしていいのか分かんない

「ひ、」

「ヒ?」

「ヒロ、シ君・・・」

「おや。私でしたか」
「何だよー。俺じゃねぇのかよぃ」

そう言った丸井君

「いや。そうでもないのかな?」

「え?」

「言えるのだろう?乃愛」

「!?」
「!!」

ビックリした顔をしている丸井君と
当たっているのが恥ずかしくて、お兄ちゃんの
洋服を摘まんで顔を隠してしまったあたし

「言えるの?」

「え?」

「丸井の事、名前で」

ゔ・・・

「ぶ、ん・・・ちゃん」

「ブンちゃん・・・」

「ブンちゃんか」

「いいぜ?俺は。そう言っても」

そう言ってくれたブンちゃん。

「だって。良かったな。乃愛」

「うん」

「では修二に話しておこう」

「乃愛を最終日フリーにすればいいか」

「あぁ」

ムスーとしているまーくんを見ていると

「ふふ。仁王」

「なんじゃ」
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