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それだけ言うとちゃんとに支払ってから出て行ったお兄ちゃんたち
「しっかし、急に言わせるとは」
「あの人たちなりに何か考えがあるのかもしれん」
「なんじゃ。もう帰ったんか」
「あぁ。子守りご苦労さん」
「全くじゃ。よっぽど外でコートの中を走らせてた方が見きれるナリ」
そう言ったまーくんは疲れ切っていて
「仁王。少し休んだらどうだ」
「構わん。どうせ、昼には休憩じゃ」
そうだけど・・・
「俺はテニス部の方に顔を出してくる。
乃愛の宿題だった件を今日言わせるらしい」
そう言った柳君の言葉に驚きを隠せていないまーくん
「大丈夫なんじゃろうか」
「一緒に聞いているとは言っていた。
だが、名前で呼べるのを本人も確認するだろうが」
「真田は無理なんじゃろ?
また、"弦ちゃん"と呼ばれるのが落ちゼヨ」
そう言った瞬間、クラスに笑いが起こったのは言うまでもない
「そうだな。ということは
あの時俺と精市、真田が一緒にいて真田を呼べないとしたら精市か俺かということだろう」
「うぅ・・・」
「そうじゃの」