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1時間後

「随分と遅かったな。仁王」

「つっかれた・・・ナリ」

そう言い切ったまーくんの腕の中には小さな
男の子と女の子の姿があって

「どこにいたんだ」

「テニスコートにいたぜよ」

テニスコート・・・?
ということは
誰かが、捕まえてくれていたということだろう

「丸井には助かったぜよ」

「丸井君が捕まえてくれてたんだ?」

「あぁ」

床に降ろすと、丸井君の弟を合わせて3人で遊び始めた子供たち

「子供の体力には付いていけん」

そう言ったまーくんは本当に疲れていて

「乃愛」

「!?いらっしゃい」

声をかけると育人先輩とあくと君。
毛利先輩にお兄ちゃんがいて

「メイド服の乃愛もかわええの」

「ありがとう。褒めても何もでないけど」

「なんや。つまらんのぉ」

席に案内すると、ずっとこっちを見ている4人

「越智。すぐに乃愛はお嫁に行ってしまいそうだね」

「何?」

「そうだね。彼女を見ていると幸せそうだ」

「せやね」

あたしのいる位置からは、そんな話をしているなんて知らなかったけど

「氷帝にいたころよりは、大分明るくはなったな」

そう、口が動いているのが分かった
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