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そんなことを話していると
「随分と話が妹ながら可愛いものだ」
!?
「誰?」
「お兄ちゃん!」
そう言ったあたしの言葉に固まった先輩
「来てくれたの!?」
「あぁ。父さんと母さんは時間が空けば来ると言っていたが」
恐らく、無理であろう。そんな事
「そっか。でも、お兄ちゃんが来てくれたことは嬉しいよ?」
「そうか。他も回って最後に乃愛の教室に行くとしよう」
そう言ってまた回りだしたお兄ちゃんとは別方向にあたしとまーくんも歩き出した
外に出ると
中よりは酷くはないがそこそこに集まっている人だかり
「随分と多いね?」
「あぁ。毎年こうじゃからのぉ」
毎年、ということは中学もこの状態を知っている。ということだろう
「大変だね?」
「乃愛もじゃろ」
「こんな所でいちゃついてんじゃねぇぞ。仁王」
!?
声の方を見ると丸井君と赤也君で
「2人も?」
「あぁ。幸村君の頼みだからな」
そうなんだ?
「乃愛先輩って、メイド服めっちゃ可愛くないっすか!?」
「だろぃ?しっかし、水色のメイド服かよ」
「うん。クラスに行ったらもっとカラフルだよ?」
「マジっすか!?」
「おー」