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「時間見て、こっちにも顔を出すとしよう」

「助かるよ。柳」

「乃愛、俺達も行くとしよう」

「あ、うん!
じゃあ、皆も頑張ってね!」

「あぁ」

走って柳君の所に行くも
幸村君たちが

「あんな応援されたら頑張るしかねぇじゃねぇかよぉ」

「そうだね」

そんなことを丸井君と幸村君が言っていたなんて知らなかった

教室に入ると、まだ着いていないのは仁王君と柳生君で

「柳生が遅いのが気になるな」

「うん」

いつもはもっと早くに来ている彼の事だ

「すまん、ちと、遅れた」

そう言っては言って来たのはまーくんで

「仁王、柳生を知らないか?」

「やぎゅー?いや知らんぜよ。それに
いつも一緒にいるわけじゃなか」

そう言って来たまーくん

「電話してみるね」

「あぁ」

PRRRRR

「はい」

「柳生君!?」

「はい」

「大丈夫?学校、来れる?」

「えぇ。もう着きますよ」

「分かった。気を付けてね?」

「えぇ」

そう言って切れた電話

「どうだった」

「もう着くって言ってたけど」

こんな遅い彼は初めてかもしれない

ガラっと入って来た柳生君

「おはよう」

「はい。おはようございます」

「珍しく遅かったな」

「まぁ・・・妹に泣きつかれて放してもらえずこんな時間に」

「そうだったのか」

「大変だったね?」

「本当ですよ」
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