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「決まっとるじゃろ?俺が好ぃとうのが
お前さんじゃなく、ここにいる乃愛だからじゃろ」
あたし…だから…?
「もういいわよ!」
そう言って出て行ってしまった女の人
「いいの・・・?」
「何がじゃ」
「今の人」
「構わん。それよりも、乃愛のこの手を離したら
乃愛は、また俺に黙ってどっかに行くじゃろ」
「・・・!」
「もう、俺はこの手を離さんと決めたんじゃ」
!?
何で、何でそんな事…
「お、いたいた」
そう来たのは丸井君と柳生君で
「仁王君。いきなり連れていかれては、乃愛さんが困ってしまいますよ」
「ええじゃろ?」
ニヤリと笑っているまーくん
「良くねぇだろぃ。乃愛が
誰を名前で呼べるのか確かめるって
幸村君が言ってたぜぃ」
嬉しそうな丸井君は
「そうですね。誰を名前で呼べるのか
実に興味があります。が、何故
仁王君、乃愛さんを隠すのですか」
「誰も名前でなんて呼ばせん」
「「・・・」」