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そう丸井君が言ったあとあたしの方を見て来たまーくんは

ムスーとして、というよりも
ちょっと、怒っていて

ガタッと立ち上がったと思ったら

「ま、まーくん・・・?」

「もうちと、スカート伸ばしんしゃい」

「!?」

「えー?メイド服着る子皆この長さなんだけど。仁王君」

「お前さんらはどうでもいいんじゃ」

「おい」

そう言ったまーくんの言葉にむかついたのであろう女子の声が若干低くなった気がした

「そんなメイド服はダメじゃ。乃愛は
もうちっとスカート伸ばしんしゃい」

「うぅぅ・・・」

それだけ言うとあたしの手を引いて
空き教室に来たまーくん

「ほんと、勘弁じゃ」

「え?」

「こんな姿の乃愛をどこにも見せられんナリ」

「!?」

何で?何で、そんな事・・・

「ま、まーくん?」

「ダメじゃ」

「え?」

「そんなメイド服、俺の前以外できるんじゃないゼヨ」

「!?」

どうして・・・そんな事言うの・・・?

「まっさはるー!」

ドアから入って来た女の人は
あの時もこの間も一緒にいた人だ

思いっきりまーくんに抱き着いた彼女は
あたしなんか最初からいないかのような態度でしかない

やっぱり、無理・・・だったんだよ
この女の人には適うはずがない

黙って教室から出ようとしたのに

「え?」

あたしの腕を掴んでいたまーくん

「黙って行くんじゃない」

!?
そう言ったまーくんの目は本気で

「だ、だって・・・っ」

「だって。じゃなか」

・・・っ

「ちょっと!雅治!!」

「なんじゃ」
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