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「もうしばらくの辛抱だよ」

そう言った幸村君

「そうだといいけどよぉ」

あたしの方を見た丸井君

「??」

「ねぇ。朝言われたんだけどさ」

「朝?」

「あぁ。乃愛が自分で名前で言える人が俺と真田、柳の中だと1人。
だけど、全体だと赤也とジャッカルを抜いてもう1人だけいるらしい」

「!?」

「それって一体誰なんだい?」

「い、言わない!」

絶対に言わない

「へぇ」

・・・んだから

「わお。乃愛が魔王様を降臨させてるぜぃ」

「うぅ・・・」

ピピピと鳴ったスマホ

「何だい?跡部」

「昼には決めると言っているけど
本人は辛いだろうけど、行ってもらうに限ったことはないかな」

「あぁ。分かった」

ピッと切った電話。
逃げようと思ったのに逃げられなかったのは
丸井君に腕を掴まれているから

「乃愛」

「はい?」

「氷帝に匿ってもらってね。これは跡部がもう決定だってさ」

う、わぁ

「すっげぇ嫌そうな顔」

「嫌なんだもん」

また、氷帝の制服を着なくちゃいけない
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