20


「合宿所に行けば、確かに匿ってもらえるだろうけど
俺達がそうそう簡単に入れる場所ではない事にも分かっているからね」

「!?」

だから、氷帝や青学のある東京の学校を選んでくれているの・・?

「俺達は、分かってるよ乃愛」

「幸村君?」

「乃愛が誰を好きなのか、アイツが誰を好きなのかも」

「・・・」

「だから、アイツには乃愛がいなくなるということにしてもらって氷帝で匿ってもらってね」

「いつから・・・?」

「跡部はいつでも構わないだろうけど」

「・・・」

「乃愛は分かっているだろう?跡部のあの性格だ。早ければ早いほどいいと考えているんだよ」

「うん。今日、昼までには答えを出すから
待っててくれる?」

「あぁ」

3人で教室に入ると、机に突っ伏しているまーくんの姿

「おはようございます。乃愛さんに皆さん」

「おはよう。柳生君」

「えぇ」

「丸井、柳生」

「何だよぃ」

「ジャッカルと真田を呼んでくれるかい?」

「仁王は」

「いや。仁王には内緒の話なんだ」

そっか

「ちょっと待ってろぃ」

そう言って走って隣のクラスまで行ってしまった丸井君。
反対方向には柳生君

廊下ではなく、屋上に来たのはまーくんがどこで聞いているか分からないから

「なんか、随分と思いつめている顔だな」

「!?」

「まぁ、色々とね。
とりあえず、忍足から出された宿題は一度終わりにする」

「!?」

「しかし、それでは」

「ノルマがあったようでな。乃愛は既にそのノルマを達成していてな。
ただ、赤也を名前で呼んでいるからという俺達のエゴだ」

「そうだな」

「あの合宿所では、乃愛は未だに名前で呼べていない者もいるらしいから焦る必要はないと言われた。
それと、乃愛が自分の気持ちにようやく気付いたらしい」

「気持ち?」
5/9ページ
スキ