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「に・・・「違うぜよ」
「まー、くん?」
「何じゃ」
さっきまでとは違う声のトーン
「まだ、こうやって呼んでも」
「ええに決まっとるじゃろ?
じゃから乃愛、帰るぜよ」
拒否を認めないような目と
あたしの手を放してくれない大きな手
「い、いや」
「どういう…」
はぁ、とデカいため息が2つも聞こえたと思ったらけーご君と侑君が一緒にいて
「まだ帰ってなかったのか、乃愛」
「ほんま、仁王が連れて帰ってるはずやったのにな」
!?
「ふ、2人は知っていたの・・・?」
「当り前だろう。夜もろくに寝てねぇ奴が何を言っていやがる」
「!?」
「じゃったら尚更立海に帰るぜよ。
そろそろ、魔王が降臨するころじゃろ」
「・・・」
だけど・・・
「さっさと連れて帰れ。仁王」
「!?」
どうして?
どうしてそんな事、言うの?
「そうじゃの」
あたしの手を握ったまーくんの手が暖かくて
離したくないと思ってしまっているのも事実で