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「そんな事」

「俺に言えるんやったら言えるやろ?」

あたしの後ろの方を見ている侑君。
その方向を見ると

「!?」

なん、で・・・

「何で、ここに」
いるの

そう聞こうと思っても出来なかったのは

「乃愛」

仁王君に抱きしめられていたから

「は、離して・・・っ離してよっ仁王君っ」

「無理じゃ」

!?

「どう、して?」


「どうして?じゃなか」

仁王君の目は若干お怒りの様で

「黙って消える奴がどこにいるんじゃ」

「どうして?」

「何?」

「どうして、ここにいるって分かったの・・・?」

「コイツじゃ」

仁王君が指さしたのは侑君で

「え?どういう・・・」

「そのままの意味や。乃愛が乃愛らしくいるべき場所が
氷帝じゃなくて、青学でもなく、立海であることは俺達がよぉ知っとる」

「侑君・・・?」

「乃愛?」

立海に帰れば、皆がいる。
仁王君がいる。ということは
例の彼女もいるということだろう

「ごめ・・・っ
今は、まだ、立海に帰りたくない・・・」

「「!?」」

「お前さん自分が何を言っているか」

「分かってる・・・だけど
今は立海で一緒にいることが辛い・・・っ」

「ほーか」

そう言った仁王君

「乃愛」

「に、おうくん?」

「・・・"仁王君"じゃなか。教えたはずゼヨ。
"まーくん"って呼びんしゃいって」

「!?」

何で?だって彼女がいるのに
名前でなんて呼べるはずがない
はずがないのに・・・

「なるほど。お前さんが好きなんは忍足だったんか」

そう言って来た仁王君

「ちが・・・っ」

確かに好きだった。それは紛れもない事実で
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