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「どうして?」
どうして、そんな事、言うの?
「今までそんなこと言ってこなかったのに・・・」
「言わなかったんやない」
え?
「跡部は、本気で氷帝に残そうと動いとる。
せやけど、乃愛はもう、立海に居場所を見つけとるんやろ」
あ・・・
「だから、言えなかったんや」
「・・・っ」
「俺の前で泣くの何年ぶりやろうな?
せやけど、俺に乃愛の涙をぬぐう資格はないんや」
「そ、んなこと・・・」
「乃愛は、今本当は誰といたいん?」
「あた・・・し?」
「せや」
あたし・・・
あたしは・・・
「俺は、乃愛が好きや」
!?
「氷帝に来て、氷帝のテニス部に入って
乃愛と出会って、乃愛を好きになった。
ただそれだけやった。乃愛の瞳が恐怖に変わっても、それでも乃愛を護れるのなら
どうでも良かったんや」
「・・・っあたしも」
「乃愛?」
「あたしも、好き"だった"よ、侑君の事」
「!?」