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「だが」
「何だ。乃愛を傷つけた。その事実は変わりはない」
「!?」
「乃愛は、今氷帝で匿ってもらっているだけで
立海の生徒のままだ」
そう言ってくれたお兄ちゃん
「お前のせいで、合宿所に戻って部屋から出て来んくなったらどうするん?」
「何?そんなの無理やりにでも」
「余計悪化するわ」
そう言った橘君の言葉に呆れた声で返答した修ちゃん。
「ええか。乃愛が氷帝でやられて、合宿所にきて俺達に懐くんようなるのに1年や。それまでは
ツキと俺にしか懐かんかった」
「「!?」」
その事実を最初に知っている人たちは
何も言えないでいた。
今ここで知った。千石君と橘君は何とも言えない表情で
「ツキ」
「あぁ。乃愛はな、氷帝から立海に行くのに偽名を使わせるほど、追い詰められたんだ。氷帝に」
「あの氷帝が」
「そこまでとは、ね」
「だからこそ、乃愛が心を許せる場所を作らねばならないのだ」
「・・・」
お兄ちゃんの言葉に黙ってしまった橘君
「千石君は、そんなことなかったよね」
「そうか」
「俺は男よりも女の子を信じる男だからね」