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「なんや。乃愛の特等席に座らせる気ないんか」

「特等席?助手席が、ですか」

「せやよ」

いつもの座席で、修ちゃんの横に
毎回座れるわけじゃないのにぃ

「ふーん」

何だろう?幸村君が怖いです・・・修ちゃん

「まぁええわ。ほな、帰るよ」

そう言って車を出してくれた修ちゃん。

「ツキから聞いたで?忍足とは仲直りで来たんやって?」

!?

「そもそも、最初から裏切っていなかったかもしれないですしね」

そう言った幸村君に苦笑いをしている修ちゃん

「なるほどなぁ。それでも
立海で頑張ってるんやろ。なら、俺達も何も言えへんな。
泣かすんやないで。幸村。あいつ等にもそう伝えておき」

「はい」

立海の前に着いた修ちゃんの車から降りて
修ちゃんに抱き着いて別れを惜しんでいたのに

いたのにだ・・・!

「あわゎ」

「そんなに別れのあいさつに抱き着く必要なんてないんじゃ」

はい!?

「ふふ。それは仁王の言うとおりだと思うよ乃愛」

!?

「しゅーちゃぁん。
皆がイジワル・・・」

「しゃーないやろ」

「うぅー」

「乃愛。ちょい耳貸し」

耳を傾けると

「夏の合宿、ツキと一緒に来ぃ」

!?
「行って良いの!?」

「ええよ。ツキも賛成しとるしな」

やったぁ!
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