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暫く抱きしめられていた後

「戻るとするかの」

そう言ったまーくんと一緒にテニスコートに戻ると、練習をしているのがレギュラー陣ではなく准レギュラーの子たちで

「幸村たちがおらんが」

「部室に来るように言っていましたよ」

そう言ってくれた男の子

「ほうか」

「ありがとう」

一緒に部室に入ると

「お帰り」

「あぁ」

椅子に座ったのを見ると

「じゃあ、青学戦のオーダーを話し合いたいんだけど」

そう言って柳君が出してきたのは

「これは?」

「近年の青学のデータだ。
一昨年のテニスよりも若干劣るが
それでも、これだけの実績が残されている」

部長の手塚さんを初め

「ほう」

「副部長は、大石(タマゴ)じゃないんじゃな」

タマゴ?

「副部長は、不二の様だ。
実績からしても、事実上の№2は、不二だったしな」

「フジ君?」

「でも、手塚は夏にはドイツに行くと
言うとらんかったか?」

「そうだな」

確かに。ドイツに行くと言っていた気がする

「その前には見られるということだ」

その前には見られる?

「どう言うこと?」

「精市。乃愛の為にオーダーは一昨年のままにしてみるか」

「いいね、それ。向こうは別の学校から来ているのも入れてくるだろうね」

へ?そんな学校なんだ?

「お前たちはどう思う」

「いいんじゃないですか?」

「そうだな」

「俺はいいぜ。ジャッカルがよければな」

「俺?構わねぇぜ」

一昨年のオーダー?

「乃愛。書いておいてね。オーダー表」

「へ?」

「それはそうだろう」

弦ちゃんに言われたくない
ギロッと睨まれてしまったあたしは

「弦ちゃん、乃愛が怖がるぜよ」

「おい」

「それをお前が言うなよ。仁王」

「弦ちゃん、怖いからキライ」

そう言ったあたしに、噴出した丸井君と幸村君

「ほぉ」
「おや」

そう返事をしてきた、柳君に柳生君

「まぁ、それはおいおい、ちゃんと名前で呼ばせるとして」

え゙

「オーダーを言うよ?」
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