19


「そういや、乃愛っていつもどこで食ってんだよ?」

「そう言えば」

「俺達と一緒に食べないね」

丸井君の言葉を筆頭に疑問に思っていたらしい

「仁王あたりは知っているのだろうが」

うぅ・・・

「ナイショ」

「マジかよ」

「内緒って」

「ふふ」

スマホが連絡を知らせるバイブがちょうどよく
あたしと柳君のが鳴って

「お兄ちゃん?」

あたしはお兄ちゃんからで

柳君は恐らく、毛利先輩なのだろう

「お前は一体何人分作るつもりだ」

「「え?」」

「どういうことですか?柳君」

「毛利先輩からだ。乃愛に食事を作って貰うといいと」

「は?」

お兄ちゃんからの連絡より、驚くんだけど

「お前への連絡は違ったのか」

「全く」

午前中の授業も終わり
帰る直前で雲行きが怪しくなり


「こりゃ、一雨来るかもね」

「止む確率は限りなく低いだろうな」

そんな話をしていると、ザーと降り出した雨

「傘、持ってないや」

「俺もだ」

「ほんじゃ、用事を片付けてくるかの」

そう、ずっと寝ていたまーくんはそのまま
起きてどっかに行ってしまった

外を見て
柳君と幸村君が

「これじゃ、今日の練習はダメかな」

「無理だろうな。室内では、他の部活で
使われている可能性が高い」

「だろうね」

そんな話をしていると
真田君も、ジャッカル君も来て

「幸村、柳。練習はどうする」

「今日はなしにしようか。この雨じゃね」

「下手にやっても帰って悪影響だしな」

「だろうな」

「赤也にも伝えておくか」

あー。そっか。赤也君は学年が違うんだっけ

正門に止まった車を見て

「はや」

「え?」

「何だ。あの車」

「じゃあ、あたしは帰るね?」
4/7ページ
スキ