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「で。真田を先にやったら
真田が思いのほか怖かったらしく
名前で呼べない。となり、真田以外を名前で呼ばせようと思っている」

「一番難関は幸村じゃろ」

「俺もそう思う」

「おいおい。俺を一体何だと思っているんだい?」

「え?」

「王者立海の魔王様ゼヨ」

「魔王、ねぇ」

「ふふ」

「どうした?」

「ううん。皆仲がいいなぁ。って思っただけ」

「そうか」

うん。仲がいいと思う。

「そうじゃ。今日の練習ちと、遅れるナリ」

「またかい?」

「あぁ。めんどくさいぜよ」

メンドクサイことなんだ

「しょうがないよね。黙って休まれるよりは
良いことなんだろうけど」

「まぁ、そう言うな精市」

何だろう。立海のメンバーって
幸村君は敵に回したくないけど
柳君も十分敵に回したくないタイプだ

今日は午前の授業だけで
午後からの練習になるって言ってたっけ

「乃愛ー」

「丸井君・・・?」

「お前最近変じゃね?」

そう言って来た丸井君。きっと彼には気づいているのかもしれない

「変・・・なのかなぁ」

「おいおい」

自分がこの間から可笑しいことにも気づいている
まーくんがこの間、女の人と一緒にいてから余計にだ

「嘘だよ。気づいてる。あたしが可笑しいことにもね」

「そうかよ」

教室に入ると

「今日の練習、各自で食事をしてからの練習になるからな」

へぇ

「おー」

「乃愛は、寮に戻るんだろう?」

「あー・・・うん」

「何だ。その変な返事は」

まぁ、色々と?

「サボるなよ?」

「分かってます―」

「おはようございます。皆さん」

いつもより遅く教室に入って来た柳生君

「あぁ」
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