16


「乃愛?」

抱き着いたのが幸村君で
一緒にいたのが柳君と弦ちゃんだったから

「何かあったのかい?」

「あの2人だ。乃愛が嫌がることをするとは思えないが」

後から出て来たけーご君と侑君

「コイツに何を言った」

「氷帝に戻って来いと言っただけだ」

その返答に驚く立海の皆と
掛けに勝ったんだから、当り前だろう。
都でも言うような顔をしている、2人

「乃愛?」

「行きたくない」

「だ、そうだけど?本人の意思はないの?」

「すぐに返事をしろとは俺達は言っていない」

「だけど、すぐに出すということは
それだけの恐怖もあるということだろう?」

「まぁ、それだけの事を仕出かして来ているからな」

そう言ったけーご君は忍足君と一緒にバスに乗ったのを確認した

「幸村。暫く乃愛を預ける」

「残念。乃愛は立海の生徒だからね?跡部」

ふふふと不気味に笑っている幸村君が怖い

「まーくんは?」

「そう言えばいないな」

どこに行っちゃったの・・・?

「けーご君たちも元気でね?」

「すぐに迎えに来る」

「行かないよ?立海、楽しいもん」

「そうかよ」
そう言ってドアが閉まったのを確認すると
走り出したバスを見送って

「仁王はどうした」

「さぁ?」

さぁ・・・って

「探してくるね」


「頼んだよ」

そう言ってくれた幸村君

「青学戦について話し合いたいからね」

青学、かぁ

氷帝にいた時も練習試合したのを見たことがないなぁ

スマホが着信を知らせてきて

「もしもし」

「裏庭にいるぜよ」

それだけ言って切れた電話

裏庭・・・?

「ちょっと行って来るね」

「どこにいるか分かったの?」

「うん」

走り出したあたしを見届えてくれる皆
15/15ページ
スキ