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「乃愛。それでも怖かったら
俺達はここにいるから、戻っておいで」
「うん」
部室に行くと
「急に悪かったな」
「ううん。大丈夫」
「アイツ等は結局ドリンクも真面に作れず、タオルも用意していなかった。
それが乃愛との差だと、ようやく気付いたらしい」
「そっか」
今の今まで気づかなかったあの人たちにはもう、何も言えない
「仁王との掛け、聞こえてたやろ?」
「うん」
「お前さんの事やで?」
「!?」
「やっぱりな。お前気づいてねぇだろ。
部長である俺と忍足がいて
お前がここにいる理由」
キキタクナイ
キイチャイケナイと
頭でサインを出してる
「氷帝に戻って来い」
「・・・っ」
「ごめん。それは出来ない」
「今すぐに返事をしろ。とは言っていない。
まだ、榊監督はお前がやったと思っている。あいつ等は分からねぇが」
だったら余計に戻りたくなんてない
部室から出て、幸村君たちのいる方に
逃げて来てしまった